2006年 12月 26日
北陸はご縁が深い土地だが、そのご縁はラ界に足を踏み入れる遥か昔のものなので、ラーメンの記録はほとんど皆無である。そりゃぁ魚食べていれば間違いない場所ですからねぇ。という訳で、今回は3年ぶりの金沢の仕事ではあるけれども、薬業界の聖地である富山を経由することにした。薬売りといえば富山。私が仙台にいた時は、薬のいっぱい入った箱を背負った薬売りの叔父さんが、年に一回常備薬を取替えにやって来たものだ。おまけに紙風船をもらえるのが嬉しかったなぁ(かなり遠くを見る眼)。空港から乗ったタクシーの運転手さんが言うには、薬業界の聖地である富山は、ラーメンにもこだわりがあるのだそうだ。そぉーですかぁ、そうまで言われては確認しなければならんでしょう(殴)。まずは、比較的新しいお店のめん家へ向かったら、10:50に着いてしまい、いきなりシャッターとなった(^^; ラーメンは濃い醤油色のスープで、ほんの少し背脂が浮いている。チャーシューはバラ巻で大きくて柔らかく、これを目当てに来る人も多いようだ。平日のみ30個限定の煮玉子は、何と醤油色の白身から店名が浮き上がるように作られている。全体的になかなかの出来具合と思いつつも、表面を被う油がどことなく出前一丁の味を連想させるのが、もったいないというか何というか・・・ 若かりし頃、富山に来た時に思い知らされたのは、流しのタクシーというものは、めったにお目にかかれないということ。市内でボーっとタクシーが通るのを待っていて、次の仕事場に行けなくなりそうになり、そこへ自社の営業車が通りかかったので、手を広げて止めて乗せてもらったという(^^; 今回も次の店を目指して歩き、タクシーがきたら乗ろうと思っているうちに、炎天下を2km近くも歩いて結局着いてしまった。いい年になっても学習能力がないのだ。さて、二軒目は富山の老舗、末弘軒である。とりあえずはずせないお店である。出てきたラーメンは、これぞ昭和29年のラーメンだと言わんばかりの鶏ガラスープで、手打ちの平縮れ麺が旨い。看板のワンタンもジュルッとした食感で、肉も豚のみのミンチが何とも懐かしい味を醸している。ずーっとこのままでありつづけて欲しいラーメンだった。 ここで、大きな書店に入って恒例のラ本探しをする。期待していなかったが、北陸三県のラーメン店が載った本を見つけて即購入。そして休憩がてらに次のお店を検討し、屋台出身で現在では有名な行列店という九頭龍本店に向かった。なるほど、広い駐車場を構えたお店は、ひっきりなしにお客さんが入ってくる。ラーメンは鶏ガラ系の飴色をしたスープで、ほのかに生姜が香ってくる。1ロットでかなり大量に作るので、麺の湯切りはほとんどなく、食べるとヌメッとした舌触りがする(^^; これは何とかしてもらいたいなぁ。バラ肉のチャーシューはなかなか旨い。 その後、金沢でしっかり仕事をして、夜は寺喜で刺身、のどぐろ焼、鰯。同行者に因果を含め、さっき購入したラ本で多いにそそられた神楽へ。店に入ってフワッと鼻腔をくすぐる煮干の香りに期待が高まる。丸鶏ベースのスープは、煮干と昆布の出汁が加わり、表面を特製のブイヨンの油が被っている。麺は熟成された太目の縮れ麺で、モチモチ感を楽しむことができる。チャーシューはモモ肉で、ローストされた周りの香ばしさが旨い。開店して丁度1年とのことだが、匠○系のお店もできたりして、金沢にも新しいラーメンの波が押し寄せているようだ。 それから、倫敦屋酒場のカウンターでジントニックを飲んでいると、金沢の夜は緩々とふけていくのであった。
by g_amaha
| 2006-12-26 08:01
| 北陸・甲信越
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